ひぐらしのなく頃に
色々、長々、書いていたのですが、面倒くさくなったので破棄。
とりあえず簡潔にいいます。
「覚醒剤反応が出ずに、幻覚症状(精神障害・知覚障害)等を引き起こす薬物はあります」
しかも58年ごろには一般的だった薬物で。
ちゃんと調べました。素人の調べ方なので不十分で誤解してるかもしれませんけれど。
そしてそれは昭和58年ごろでは 「 風 邪 薬 」 にも使用されていたものです。ちなみに解熱鎮痛剤と併用すると作用が増強するという代物。
しかもコレは血中半減期が短い。富竹はよくわかりませんが、主人公が死ぬまでの24時間ならばおそらく検死しても不審がられない濃度まで落ちていたと思われる薬物です。
ですから、薬物によって主人公を錯乱させ、しかもその証拠を残さない、ということは可能なのです。
あちこちを覗いてみて不思議に思ったのは、何故か皆さん「富竹の検死結果として薬物反応がなかった」と思われているのですね。
でも本編を読んでみるとはっきり書いてあります。出なかったのは薬物反応ではなく、「 覚 醒 剤 反応」なのです。
オリンピックのドーピング検査を思い出してもらえれば判りやすいと思うのですが、そもそも薬物反応といえば毒物だけでなく風邪薬、睡眠薬、麻酔薬、アルコール、筋肉増強剤……etcまで含めてしまうのです。それを全て疑うのは不可能。だから検死では、まず遺体の状況から怪しい毒物の焦点を定めて調べます。
ですから検死で覚醒剤反応がなくても、覚醒剤以外の、一見無害(当時の常識から)な薬物が使われた可能性は残っているのですよ。
しかしだからといって「覚醒剤以外の薬物をただ使いました」だとプレイヤーが怒るのは必至。私だって怒ります。ですから例え覚醒剤以外の薬物だとしても、本編中の展開から怪しまれず、かつ納得できるものを探してみたのです。
その結果が最初の簡潔に述べたものです。
あるんです。あるんですよ。勘違いが怖いから薬品名は避けておきますが(笑
まあ、血中半減期が短い薬物で検索かければ、程無く見つかると思います。
つまり、私が言いたいのはこうです。
薬物によって作中の症状に該当することは起こせる。しかもそれは「未知の薬物」ではない。
ただ、検出が難しい薬物(作品内の状況では不可能?)、なのです。
そもそも検死にでない=未知の薬物なんて言ってるのは圭一だけですし。
ああ、でもそうなるとメモ改竄の理由がまたややこしいことになるなぁ……
それともうひとつ。TIPSで大谷と医師の会話で
「乱闘中に豆腐の角に頭ぶつけて、それでとんちんかんになった」
可能性を挙げて、そんなこたぁねえよ、と大笑いするシーンがありますが、これはミステリーにおける手法としては「あり」だと思います。
どんなに確率が低くてもその可能性が本文中で示唆されていれば、一度だけは「偶然」を用いていいのだと、私は思ってますから。
ただしその場合、二度目にあたる圭一の死にはその「偶然」は適用できず、圭一の頭がもともとパーだったか、或いは薬物か、或いは他の方法を、結局は疑わなければならなくなりますが。
それと最後に一言。
風邪薬は主人公が入江医師に渡されたものですが、別にそのなかに薬物が入っていたとは限りません。
要は、風邪薬と同じ成分の薬が怪しまれない濃度で死体から検出されても、被害者が風邪薬を服用していたという事実があれば誰も疑わない、ということです。
また投薬による依存によって錯乱するのではなく、投薬中止による離脱症状で錯乱する可能性もあります。
それにお薬の中には連続服用によるものもあれば、大量投与によって症状を引き起こすものもあるようで……(あ、結局は依存と中毒か)
なんか結局なんでもアリになってきたなぁ。
いずれにしても怪しまれないためには体内残留と薬物の性質が重要だとは思いますが。