上記について

 いやまあ、私のスタンスの補足説明を。
 各学問は「本質的に同じ」と考えています。ただ観測する対象や目的によって便宜上区別されているだけ、と。
 ですから当然、その区分が便利なときもあれば障害になることもあるわけです。世間一般的なくくりとして「理系・文系」の区分は社会的に便利ではあっても、そのくくりで硬直した思考を持ってしまったら学問を語る際には障害になってしまうことが多々あると思うのですね。
 早い話、学術的に突き詰めて考えると「その区分に意味あるの?」となってしまう。
 メールでも頂きましたし、その他のサイトでも見かけましたが、「理系の学問も、高次においては文系の学問になる」「数学は文系の学問である」などという意見もあります。これらは文系的にはロマンチシズムを刺激される言葉なのですが、それは逆に理系の人間に対して失礼であるように思えてしまうのです。
 私は自分が学んだものに誇りを持っているから、それを文系・理系のくくりの中で下に見られてしまうことに我慢がならない。ならば同様に、理系と呼ばれるくくりの学問を納めた人も文系の下に置かれてしまうことに我慢がならないと思うのです。
 そういう誇りを持った人間が、自ら「理系の学問も、高次においては文系の学問になる」「数学は文系の学問である」と口に出来るのは、その上下が意味の無いもの、と認識している結果じゃないかな、と。しかしそう言い回しまうと「じゃあ文系の方が理系よりも上なんだ」とか、或いは「理系は文系より上なのに」などという誤解を生じる恐れがあるので、私のスタンスは「本質的に同じ」という言い回しになるのです。
 もちろん、本当はその文系・理系というくくりが正当で意味のあるものであり、毅然たる上下関係も成立しているのかもしれません。でも私個人は「理系」の学問に深く触れたことが無いのでその判断がつかず、個人の知識と経験からそう判断しているということです。
 蛇足かもしれませんが、ま、そんなわけで。



 ここらへんの個人的意見は、以前書いた「99.9%は仮説」という本の感想を読んでいただけると幸いです。あ、出来ればその本自体も読んで(笑
 


 追記:「科学という宗教」のくだりには全く同意です。気が合いますね(笑
 追記2:本の感想は、ここ、かな →http://d.hatena.ne.jp/inochishirazu/20060319#p2