「V for Vendetta」(映画)

 鑑賞。うーむ、面白かったけれど、鑑賞後の満足感は低め。
 見ていて「驚き」がなかったのが、満足感が低い原因かな。ストーリーは予定調和で驚かないし、アクションやカメラワークなどの画面演出にも驚き・びっくりが無い。終始冷静にじっくり見ちゃうんですよね。映画としてはそれでいいのかもしれないけれど、私の見たかったものとはちょっと違うかな。キャッチコピーから期待していた活劇がなかったのが残念。脚本的には、一つ一つの要素は良かったと思うのだけど、並べてみると心に響いてくるものがなかったなぁ。
 ただ一点、脚本上疑問を感じた点は、「民衆が勝ち取る」という点が描写されていなかった点でしょうか。民衆が自らの意思で立ち上がりはしたけれど、勝ち取りはしなかった。全てを進め勝利したのはVただ一人、という気がして、これから先の未来に観察者たる私は「希望」を持てませんでした。こうやって訪れた自由の先にいったい何が待っているんでしょうか。誰がどう維持していくのでしょうか。
 ま、そこら辺はVがヒロインに語るように、明日を生きるヒロイン達に任されているのでしょうけれど。Vは本当に復讐を果たしただけだよな。
 うーん、でも本当に面白かったことは確かなのですよ。隙が無いことは確か。ただはっちゃけ具合が足りませんでした。70点というところか。